甲斐犬ブリーダー - 本格甲斐犬の川崎酉将犬舎 -


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雨の中の奇蹟

我が家の愛犬「白鳳の龍」が”壮犬牡の部”で一席を頂いてあれから一年、釜無川の河川公園は今日も雨の一日となった。

雲が低くたれこめ、朝からのやまずの雨は、まるで昨年を想い起こさせるようだ。
あの感動の瞬間から一年”成犬牡の部”にチャレンジするための鍛練の日々は楽しくもあり苦しくもあった。

日々の多摩川の河川敷でのハードなトレーニング、家庭での躾け、体の手入れ等、一年三百六十五日、一日も欠かす事なく続けられたのは、犬への愛情、信頼感、家族のバックアップがあったからだと患う。一年が経ち今日の場に臨むにあたり、「龍」は全てにおいて見違える様にたくましく成長し、成犬としての風格が備わった様に私には感じられた。

朝から永い時間が経過して、いよいよ”成犬牡”の部の審査が始まった。まず”個体審査”からである。各審査員の鋭い眼で、各体の箇所のチェックが始まる。「龍」はどの犬よりも落ち着いており、どの部分でも他より勝っていると思われ、当然総合審査での上位ランクを私は確信していた。

しかし総合審査が始まり、我が「白鳳の龍」は何と十六番目からのスタートとなり、私の中での自信がガタガタと崩れ落ち、目の前が真っ暗になった。

やはり厳正な審査員の眼を通して、どこか欠点があったのであろう。主人が気落ちしていては「龍」にも影響があろうと思い、元気を取り直し総合審査に臨んだ。

私が気持ちを奮いたたせると共に「龍」は一段と気迫と落ち着きを増し、立ち込み姿も良く、どんどんとランクを上げ、上から二番目まで昇りつめた。もうあと一歩だ。「白鳳の龍」がんばれ、前の犬との合わせにも、尾を下げるなどと言う事は一度もなく、遂に審査員の声でトップにおどり出た。やったぞ「龍」。審査も終わり「白鳳の龍」の一席が決定した。

これは本当に奇蹟だと患った。「龍」有り難う。応援していただいた観客の皆様有り難う。私は身体の中から熱い物がこみ上げ、思わず被っていたハンチングを手に取り大きく振りかざしていた。

審査員の方々に心から感謝致します。やはり皆様の眼は確かでした。

我が「白鳳の龍」も皆様のお陰で次なる”総合優良犬の部”へのチャレンジをする事が出来ます。この席におごる事なく、日々益々精進を心掛け、目標に邁進するつもりです。

今後共、諸先輩の御指導の程と、甲斐犬愛護会の益々の御発展を心よりお祈り申し上げます。